医療事務の仕事
医療事務の仕事は、受付で患者さんのカルテを出したり、お会計をするといった基本業務だけではありません。他にはレセプト業務や医療秘書も重要な医療事務の仕事です。私達が支払う金額は治療代の全額ではないため、病院の収入源は診察代や治療代だけではありません。治療を受けて私達が支払う金額は、実際にかかった金額の3割(老人・乳児を除く)を負担します。
レセプト業務は、残りの7割分を保険組合に支払ってもらうための請求業務をする仕事をです。医療秘書は、医師や看護師のサポートをする仕事のことです。医師や看護師は、患者さんの診察業務をするばかりではありません。進歩しつづける医療の新しい知識を身につけなくてはならないため、学会に参加したり会議を開いたりと多忙となっているため、ケジュール管理、会議の準備などを行う仕事です。
医療事務の仕事は、考えていたより大変だということがわかると思います。医療事務の仕事には、資格がなくても就くことが出来ます。しかし、即戦力という点では資格を持っているほうが有利となっています。やはり、医療事務に限ってのことではありませんが、一番大事なのは、やる気があるか、誠実に仕事ができるかどうかが大切だと思います。
医療事務をしている方は毎日、どのような仕事をしているのでしょうか。私達が診察を受ける時に医師が症状などを書きこんでいるカルテを作ることから医療事務は覚えなくてはいけません。カルテには、診察内容のほか、氏名、生年月日、住所、保険証に記載されている内容など患者さんのプライバシーが全て書き込まれていますので、取り扱いには十分注意が必要となり、情報を漏らすことは厳しく禁じられています。
カルテは、以前、全て手書きでしたが、現在はコンピューターの導入により、パソコンで打ち込んだものを印刷して作成することが多くなりました。カルテを作成したら、診察券を発行します。カルテを診察室にまわして、患者さんには診察室のあるところを案内します。診察が終わったら、戻ってきたカルテに医師が書いた診察内容をすべて点数化して負担額を計算し会計となります。
患者さんは、受付を済ませてから診察が終わるまでの時間というのは負担が大きいものです。早く済ませるように、素早くかつ正確に終わらせることが重要となりますが、作業が慣れていないと、かなりの時間がかかってしまいます。以上が医療事務の基本的な仕事の内容となります。
医療事務の仕事として会計業務があります。医療費はどのようにして計算されているのでしょうか。医療費の計算は、普段、私達が買い物をして支払うような計算の仕方とは違い、とても特殊な方法となっています。診察や検査、薬代は金額ではなく点数で表されています。医療事務における会計業務は、この点数を金額に直して患者さんに請求する仕事をしています。
診察をうけると、医師がカルテに書き込んでいます。医療事務は、窓口に返されたカルテをすべて点数に書き直します。注射の種類、薬の分量、病気の種類などによって点数は変わります。点数の記入漏れや過剰請求などがないか、ミスのないように何度もチェックをします。点数は1点が10円で計算されますので、3割負担の患者さんでだと、「点数×10円」に3をかけたものが金額となります。
以前は、これらの作業を全て手書きをして計算する病院がほとんどでしたが、現在は、コンピューターの普及によって、薬の名称などを打つと点数が自動に表示され、計算もしてくれるようになり、とても便利になりました。ただし、カルテを正確に読み取らなくてはいけませんし、コンピューターの操作も必要となります。医療事務に興味があるなら、コンピューターも触れるようにしておくのも良いでしょう。
医療事務の業務には、総合病院の病棟クラークという業務があります。あまり聞きなれた言葉ではありませんが、病棟クラークとはどのような業務なのでしょうか。私たちは、今は健康でも、いつかは病気や事故などで入院となることだってあり得ます。病棟クラークとは、入院する患者さんと医師や看護師との間に立ち、様々なケアをします。
病棟クラークの仕事内容は、入退院の手続き、食事、物品の手配などの事務的なことから、入院患者さんの診察室や検査室への案内、手術や検査のスケジュール管理などとなっています。カルテの管理や、入院中の処置などをカルテに入力も行います。直接 患者さんや家族とも接しますので、精神的な不安を取り除いてあげられるような対応を医療事務には求められます。
病棟クラークは資格がなくても働くことはできますが、病院によっては医療事務関連の資格保持者や、医療スタッフ経験者を望んでいるところが多くなっています。専門学校などでは、クラークコースという科があり、クラークに必要な医療事務の知識をはじめ、心理学的な勉強なども教えてくれます。卒業後はこれらの知識を生かして働くことができるでしょう。
医療事務の業務には、外来クラークという業務があります。いつもなら、診察は近所のかかりつけで済みますが、検査などが必要な場合は、総合病院などに行かなくてはなりません。総合病院や大学病院などの複数の診療科を持つ大きな病院では、迷路のように複雑なものです。総合病院では、病院に入ってすぐにある総合受付だけではなく、それぞれの診療科ごとに受付が設けられています。そこでの業務が外来クラークの仕事となります
医療事務の外来クラーク業務は、まわってきたカルテを診察室へ回したり、必要なレントゲンや検査結果を揃えたりします。一般的な受付は、カルテを作成して診察室へまわしますが、総合病院ではカルテの作成は総合受付で行っています。また、総合病院では、検査一つするにも違う診療科へまわらなくてはなりません。患者さんが次はどこへ行ったらいいのかを案内し、同時にカルテなどの引継ぎもします。
医療事務の外来クラークは、いつでもまわりに目を向け、速やかに処理を行い、医師や看護師が治療に専念できるような環境を整える仕事です。常に臨機応変な対応で、現場の仕事がスムーズにこなせるような気配りが求められます。外来クラークは、総合病院にはなくてはならない存在といえます。
医療事務には通常業務である受付のほか、レセプトという診療報酬明細書を作成する仕事があります。レセプトとはどのようなものなのでしょうか。病院にかかると、そこで支払う医療費は、保険組合に加入しているため全額ではありません。患者さんが支払う負担額以外の金額を、その患者さんが加入している保険組合に支払ってもらうため、病院では必ず保険証を見せます。
医療事務は、月末になると、患者さんが1ヶ月の間にどのような診察やな処置がされたかをまとめた明細書を作成します。この明細書がレセプトです。患者数が多い病院では、膨大な量になるため、大変な作業です。しかし、以前は手書きで行っていたレセプト業務も、現在はパソコンで作成できるようになりました。コンピューターも人の手によって打つものですから、誤りもあると思います。
レセプトの打ち誤りがないか、処置や病名などの記入漏れがないかをチェックしなくてはなりません。患者数が少なくても多くても、レセプト業務は約7~10日ほどで終わらせなくてはならないため、大病院のようなところでは、レセプト作成期間だけ、人員を増やしたりするところもあります。レセプト業務は医療事務の仕事の中で、最も専門性が問われる大事な仕事といえるでしょう。
レセプト業務は、医療事務の仕事の中で、最も重要ともいえます。膨大な量のため、月初めの残業は当たり前とまで言われている作業です。レセプト業務の中で、医療事務員が一番恐れているものが返戻(へんれい)です。返戻とは、レセプトを必死の思いで作成し入念なチェックをしたにもかかわらず、ミスがあると審査支払機関からレセプトが戻ってきてしまうことです。
レセプトの返戻をされる理由には、まず保険証に記載されている詳細の記載ミスがあります。受付での入力ミスや月初めの保険証のチェック漏れなどが原因です。また、傷病名などの記載ミス、記入漏れ、病名に対し処置がおかしいなどのミスがあると、査定にもつながってしまいます。返戻や査定の分は、ミスを直して再提出してからの支払いになるため、返戻が多ければ多いほど、病院の収入に損害が出てしまいます。
レセプト業務は、病気の知識が必要になります。この病気にはこの処置は必ずつくとか、この病気にはこの薬などといった専門知識がないと記載漏れは見つけることができなくなってしまいます。長い期間働いている方達でも、日々の勉強は欠かせないといいますから、医療事務の仕事はかなり奥が深いといえます。
医療事務の給料は一般事務と比べて高いと言われていますが、どうなのでしょうか。医療事務のパートの時給は、地域によって異なりますが、大体850~1000円のところが多いようです。資格を持っていたり、医療事務経験者だと時給1500円というところもありますが、平均すると一般事務とあまり変わらないという感じです。
しかし、専門性の高い仕事ができれば、それ以上の給与がもらえるところもあります。
医療事務の派遣社員は平均時給1000~1500円くらいのようです。未経験者の派遣の場合は、時給も少し下がるところが多いようです。パートの場合は正社員と違い、賞与がないということも頭に入れておきましょう。正社員は約15~20万といったところが多いようです。保険も完備しているところが多く、賞与や残業代も支給されます。
医療事務は雑務的なことから専門的なことまで、全てをこなしている割には少ないと感じるかもしれません。しかし、独身女性は結婚後も勤務体制を変えて働けますし、主婦の方は、短時間の勤務で良いといったところもあります。求人人数に対して、何人も応募するというのが納得できると思います。長年勤めると、辞職してからもレセプト期間だけ働かせてもらえたり、違う医院のレセプト業務を紹介されたりすることもあります。
電子カルテとは、紙のカルテに医師が書き込むのではなくはなく、パソコンに入力します。紙のカルテはかさばりますし、たくさんの患者さんのカルテの管理にはどこの病院も頭を悩ませていたと思います。電子カルテですとコンピューターが全て管理してくれるので、このような悩みも解消されるといえます。
電子カルテは、医師が直接、入力をすることによって、受付で医療事務が診療内容を打ち込む必要がなくなるため、医療事務の負担もかなり少なくなります。電子カルテは、とても便利な感じではありますが、診察中に医師がパソコンの画面ばかり見ていては、患者さんにとっては気分の良いものではありません。総合病院などの大きな病院では、この作業を医療事務が代行して行っているところもあります。
医療事務のレセプト業務もレセプト作成ソフトを導入することにより、カルテに書かれた内容をコンピューターに打ち込むだけで、作成が出来るようになったため月末のレセプト作成は、打ち込んだ内容を出力するだけでよくなり楽になったとされています。コンピューターは、私達の生活になくてはならないものになってきています。それは、医療業界において、治療はもちろん、医療事務の仕事にもコンピューターは欠かせないものになりました。
介護事務は、一般的な医療事務とは違い、介護に関する専門的な知識が必要となります。医療事務の経験者でも、転職して介護事務をするときには、介護と医療の両方の勉強が必要です。最近よく耳にする介護保険制度は、国民の保険料で、高齢者や介護者に介護サービスを提供する社会保険制度のことです。社会保険制度が施行されてから、老人介護施設が多くなってきました。
ホームヘルパーやケアマネージャーなどの介護職も注目されるようになりました。老人介護施設では、利用者へのサービス内容を市町村などの保険者に請求しなくてはならないため、介護事務といわれている医療事務が必要となります。高齢化が進んでいる今の社会では、これから介護が必要な人はますます多くなることが予想されます。介護事務が出来るようになれば、就職には有利かもしれません。
介護事務の勉強をしてから働きたいという方は、資格を取得するのもよいでしょう。介護事務の資格には、誰でも受験することができる「介護事務管理士技能認定試験」と指定科目を履修した者が受験できる「介護保険事務管理士認定試験」があります。医療事務を目指したいと思っている方は、人材不足といわれている介護事務を考えてみるのもいかがですか。
医療事務は、調剤薬局では調剤事務ともいい、主に調剤報酬事務の仕事をしています。以前は、病院で薬をもらう院内処方が当たり前でしたが、現在は、病院ではなく、自分の家の近くの薬局で受けとれる院外処方という方法をとりいれている病院が多くなっています。院外処方の場合に、病院で支払うのは診察代、検査料などの処置料の他に、処方せん料というのを支払うことになります。
薬局では、調剤基本料、調剤料、指導管理料などを支払います。薬局での会計も病院と同じく、点数による計算方法になりますので、医療事務が必要となります。調剤事務は、小さい子供に大人と同じ分量の薬が処方されるなど、医師からの処方せんに不自然な点があれば、薬剤師に報告をするという役割も任されています。レセプト作成や受付などもこなしますが、薬に対する知識も求められます。
調剤薬局は、薬の処方が院内処方から院外処方へ変わってきたことにより、全国で増加しているため、医療事務を必要する調剤薬局は多くなっています。医療事務として就職したい方には、良い傾向かもしれません。調剤報酬事務の資格も、さまざまな講座や教室でとることができます。専門的な診療科だけではなく、あらゆる病気に関する知識が得られるというのも魅力でしょう。
歯科での医療事務の仕事は、受付の他に、医師に器具を手渡したりする診察の補助も行います。診療行為は出来ませんが、歯科では器具の清浄や準備など医師の助手としての仕事も医療事務がするところが多いようです。最近では、定期健診をお知らせしたり、小さい子供には虫歯予防のためのブラッシング指導などといった予防歯科を取り組んでいる歯科が増えています。
歯科の医療事務はこのように幅広い仕事をこなせる人が望まれています。そして、内科と歯科で内容が異なるのがレセプトです。内科とは診療内容も専門用語も違います。また、歯科には保険適用治療に一部の自費治療を行うという選定療養という治療法もあるため、レセプトの作成も複雑となっています。内科などで医療事務をした経験があっても、歯科に転職すればさらに歯科の勉強が必要となります。
歯科で働いている方達の多くは、働きながら専門知識を身につけてきた方達が多いようです。実際に働くことによって、治療の流れがわかりますし、治療に必要な点数の取り方などが理解しやすくなることと思います。歯科の医療事務の資格をとりたいと思っている方は、まずはアルバイトなどで歯科助手を経験してみるのも良いでしょう。